
静岡県沼津市の千本松原にひっそりと佇む「沼津倶楽部」。
築110年を迎えた長屋門と数寄屋造りの建物は、国の有形文化財として登録され、今なおその気品を放ち続けています。
「集合茶亭」と呼ばれる茶の湯の美意識を宿した空間では、静寂と四季の移ろいが心を満たし、訪れる人に日本の美の本質を教えてくれます。
この記事では、沼津倶楽部の歴史や建築美、そして体験できる極上のおもてなしまでをたっぷりと紹介。
伝統と現代が調和するこの場所で、あなたも“時を味わう旅”をしてみませんか?
沼津倶楽部の歴史と築110年を迎える文化財の価値
沼津倶楽部の歴史と築110年を迎える文化財の価値について解説します。
それでは順に見ていきましょう。
① 沼津倶楽部とはどんな場所?
静岡県沼津市、千本松原の緑豊かな一角に佇む「沼津倶楽部」。
大正時代初期、1913年に創建されたこの建物は、元々は政財界人や文化人が集う社交の場として誕生しました。
雄大な富士山と駿河湾を望む風光明媚な場所にあり、かつては多くの文豪や政治家が訪れたといわれています。
現在は、宿泊・レストラン・茶亭などを備えた複合文化施設として再生され、2023年にはリニューアルを迎えました。
築110年という歴史の重みを感じながら、現代の感性に寄り添う美しい空間が魅力です。
まさに「古き良き日本」と「現代の美」が融合する場所ですね。
② 築110年の長屋門に秘められた歴史
沼津倶楽部のシンボルともいえるのが、茅葺き屋根の「長屋門」です。
この門は、明治末期から大正初期にかけて建てられたもので、当時の建築技術と美意識が凝縮された貴重な構造物です。
一見すると質素に見えますが、よく見ると柱や梁の組み方、屋根の曲線の美しさなど、細部にまでこだわりが詰まっています。
この長屋門は、沼津市内でも数少ない「茅葺き門」のひとつであり、建築史的にも非常に価値の高い文化財です。
年月を重ねるごとに木材の色が深みを増し、まるで時の流れそのものを刻んでいるような存在感がありますね。
③ 数寄屋造りの建物が伝える日本の美
沼津倶楽部の建物群は「数寄屋造り」と呼ばれる日本建築の美学を体現しています。
数寄屋造りとは、茶室建築に由来するシンプルかつ繊細な造りで、素材の質感や自然との調和を大切にする建築様式です。
この建物では、木、竹、和紙、土壁などの自然素材がふんだんに使われ、無駄をそぎ落とした静けさの中に美しさが宿ります。
障子越しに差し込む光や、庭園の緑が映り込むガラス窓は、まさに「日本の四季を映す額縁」のようです。
この空間に立つと、建物自体がまるで一つの芸術作品のように感じられるはずです。
④ 有形文化財としての指定背景と意義
沼津倶楽部の長屋門と数寄屋造りの建物は、平成に入ってから国の「登録有形文化財」として指定されました。
その理由は、建築技術の高さと、近代日本の文化史を語る上での重要性にあります。
戦火を免れ、当時の姿をほぼそのまま残している点も高く評価されています。
文化財として保護されることで、今後も次世代へとこの美しい建築を受け継ぐことができます。
訪れる人にとっては、ただの観光地ではなく「日本の美意識と時間の流れを感じる場所」として特別な意味を持ちます。
⑤ 時代を超えて受け継がれる「集合茶亭」の存在
「集合茶亭」は、沼津倶楽部の中心的な建物のひとつであり、「数寄の集合」というコンセプトのもと設計されました。
茶の湯文化をベースに、複数の茶室が一体化した独特の空間構成が特徴です。
一歩足を踏み入れると、静寂と香木の香りに包まれ、まるで時が止まったかのような感覚に包まれます。
現代のデザイン要素も巧みに取り入れられ、伝統とモダンが絶妙に調和しています。
この茶亭は、訪れる人々に「日本の精神文化」を静かに語りかけてくる、そんな存在なんですよね。
有形文化財「長屋門」と「集合茶亭」の建築美
有形文化財「長屋門」と「集合茶亭」の建築美について詳しく解説します。
建築の魅力は、まさに沼津倶楽部の魂。ひとつひとつの意匠に、職人たちの想いと美の哲学が宿っています。
① 茅葺き長屋門の特徴と職人技
沼津倶楽部の顔ともいえる「茅葺き長屋門」は、築110年を超える貴重な木造建築です。
この門は、武家屋敷などで格式の象徴として建てられた伝統的な「長屋門」形式を継承しており、木材の組み方ひとつにも高度な技術が詰め込まれています。
特筆すべきは、屋根の茅葺き部分。職人が一本一本、丁寧に重ねた茅が時間の経過とともに色を変え、独特の風合いを生み出しています。
この屋根は10年に一度ほどの葺き替えを必要とし、伝統技法を守り続ける職人の技が今も息づいているのです。
また、太い梁や柱には樹齢数百年の木材が使用され、木目の美しさと強度が両立されています。
この長屋門をくぐる瞬間、誰もが思わず背筋を伸ばしたくなるような“時代の重み”を感じることでしょう。
② 数寄屋造りの建築様式とこだわり
沼津倶楽部の主屋部分や集合茶亭は、「数寄屋造り」という日本建築の最高峰の様式で設計されています。
数寄屋造りとは、千利休の茶の湯思想を源流とし、“わび・さび”の美を追求した建築スタイルです。
素材選びから構造に至るまで、すべてが「自然との調和」を意識して造られています。
たとえば、柱や梁には天然の杉や檜が使われ、塗装をせず、木肌の美しさそのものを活かしています。
壁は珪藻土を使用し、湿度を自然に調整。四季折々の光や風を感じることができるよう設計されているのです。
この建築様式では、左右非対称の配置や空間の余白が大切にされ、「完成しすぎない美」が生まれます。
まさに、静寂と品格を兼ね備えた空間設計。どの角度から見ても、時間がゆるやかに流れていくような感覚に包まれます。
③ 「集合茶亭」が生み出す非日常の空間
「集合茶亭」は、沼津倶楽部の中でも特に印象的な存在です。
複数の茶室を融合させた独自の建築様式であり、各茶室が異なる趣を持ちながらも、全体としてひとつの“数寄”を表現しています。
障子を通して柔らかく差し込む光、畳の香り、静けさの中に響く風の音──そのすべてが計算された演出です。
建築的には、茶道の「一期一会」の精神を体現しており、訪れるたびに新しい感覚を与えてくれます。
天井や床の高さを微妙に変えることで、歩く人の視線が自然と移ろい、心のリズムまでも整えられるように設計されています。
現代の喧騒を忘れ、自分自身と静かに向き合うための“静謐な舞台”。集合茶亭はまさに、建築と精神文化が一体化した空間なのです。
④ 建築に込められた思想と美意識
沼津倶楽部の建築哲学は、「自然と人の調和」「時間を感じる建築」「素材の生命を活かす」という三本柱にあります。
設計当時から、「人が建物に合わせる」のではなく「建物が人に寄り添う」思想が根底に流れています。
また、建物は年月とともに“育つ”ことを前提にしており、素材が風雨にさらされることでより味わいを増していくのです。
この考え方は、まさに日本人が大切にしてきた“わび・さび”の精神そのもの。
さらに、建築家は茶道の「侘数寄(わびすき)」を参考に、光と影のコントラストを繊細に設計しています。
朝の柔らかな光が差し込む茶室、夕暮れに赤く染まる廊下──そのすべてが「時の移ろい」を美しく表現しています。
まさに、建築そのものが一篇の詩のように、人の感情を静かに揺らす存在なのです。
沼津倶楽部で体験する極上の時間とおもてなし
沼津倶楽部で体験する極上の時間とおもてなしについて詳しく紹介します。
沼津倶楽部は“泊まる”という行為を超えた、心と身体の再生の場。訪れる人の時間を、ゆるやかに、丁寧に包み込みます。
① 歴史的建築に泊まる特別な体験
沼津倶楽部の宿泊は、ただの宿泊ではありません。
国の有形文化財に指定された建物に泊まるという、まさに“生きた文化財体験”です。
客室はわずか8室のみ。和室、洋室、メゾネットなど、それぞれが異なる趣を持ち、すべての部屋から四季折々の庭園が望めます。
室内は木の香りが心地よく、障子を通して柔らかく差し込む光が、まるで時間を止めたかのように穏やかに空間を包みます。
歴史的建築に泊まりながらも、最新の快適設備を備えており、“懐かしさと新しさ”が絶妙なバランスで融合しています。
朝、鳥のさえずりで目を覚まし、障子を開けた瞬間、庭に差し込む陽光とともに心がすっと軽くなる──そんな体験が待っています。
② 「数寄の集合茶亭」で味わう季節の料理
「数寄の集合茶亭」では、静岡県出身の料理人・齋藤宏文氏が監修した中華料理をベースとした独創的な料理が楽しめます。
ただし、一般的な中華とは一線を画し、和の美意識と静岡の食材を融合させた“和魂漢才”のスタイルです。
たとえば、駿河湾産の桜海老、沼津のアジ、地元野菜など、旬の素材を使った一皿は、まるで芸術作品のよう。
料理は一皿ごとに温度・香り・色彩が計算され、器にもこだわりが光ります。
茶亭の中では、食事そのものが「おもてなしの舞台」。食と空間が一体化し、ひとつの“体験芸術”として完成されています。
ここで味わう食事は、まさに“時を食す”ような感覚。食べ終えたあとも、心に余韻が残るはずです。
③ 駿河湾と富士山を望むロケーション
沼津倶楽部のもう一つの魅力は、その圧倒的なロケーションです。
目の前に広がるのは、戦火を逃れた松林が美しく残る「千本松原」。
少し歩けば、駿河湾の穏やかな波が寄せる浜辺が広がり、天気の良い日には富士山が堂々とその姿を見せてくれます。
この自然と建築が見事に溶け合う風景は、「ここでしか見られない日本の原風景」といっても過言ではありません。
四季によってもその表情は大きく変わり、春には新緑、夏は蝉しぐれ、秋は紅葉、冬は雪化粧の富士山──何度訪れても新しい発見があります。
建物の中から眺める景色は、まるで一枚の絵画のように完璧なバランスで設計されており、視覚的にも心が満たされる空間です。
④ スパ・庭園・宿泊が織りなす癒しの時間
沼津倶楽部の奥には、静寂に包まれたスパエリアがあります。
内風呂、露天風呂、岩盤浴、サウナが整備されており、自然素材の力を最大限に活かした癒しの空間です。
特に露天風呂は、庭園の緑に囲まれながら湯に浸かる至福の時間。まるで自然と一体化するような感覚を味わえます。
庭園は、江戸の庭師の流れを汲む伝統的な“借景式”で設計されており、四季折々の草花が訪れる人を出迎えます。
スパから庭園、そして客室へと続く導線は、すべて“心の流れ”に合わせて設計されているのが特徴です。
まるで一つの詩のように、訪れる人の心と身体を優しく整えてくれる──そんな“静寂の体験”がここにはあります。
この空間で過ごす時間は、現代の忙しさを忘れ、自分と向き合う贅沢な瞬間。まさに「時間を味わう宿」と呼ぶにふさわしい場所です。
沼津倶楽部の再生とこれからの展望
沼津倶楽部の再生とこれからの展望について詳しく解説します。
沼津倶楽部は、単なる「古い建物」ではありません。過去を敬い、未来を見据えながら、静かに新たな命を吹き込まれた文化の象徴です。
① リニューアルオープンと現代の調和
2023年、沼津倶楽部は大規模なリニューアルを経て、新しい姿で生まれ変わりました。
築110年の有形文化財を守りながら、現代の快適さとデザイン性を融合させたその再生は、まさに“温故知新”の象徴です。
伝統的な数寄屋造りの構造はそのままに、照明や空調、音響などは最新技術を導入。訪れる人が安心して過ごせるよう配慮されています。
また、建築当初の素材をできるだけ残し、修復には地元の職人や木材を活用するなど、地域との連携も大切にされています。
古い建築を「蘇らせる」ことは容易ではありませんが、沼津倶楽部はその難題を乗り越え、まるで時代が交錯するような空間を作り上げたのです。
訪れると、歴史の香りと同時に、未来への息吹を感じられますよ。
② 地域文化の発信拠点としての役割
沼津倶楽部は、単なる宿泊施設ではなく、「文化を伝える場」としての使命を担っています。
館内では、静岡ゆかりの芸術家による展示会や、茶会、音楽イベントなどが定期的に開催されています。
特に、2025年に行われた「吉田カバン LUGGAGE LABEL」とのコラボレーション展示「旅籠(はたご)温故知新」は、多くの来場者を魅了しました。
このように、古い建築が“新しい文化”を生み出す場所として再生しているのです。
地元住民や観光客が交わる空間として、沼津倶楽部は地域文化のハブ(中心点)として存在感を高めています。
まさに、過去と未来、伝統と革新が出会う場所──それが沼津倶楽部です。
③ 歴史建築を未来へ残すための取り組み
沼津倶楽部では、建物の保存と継承のためにさまざまな取り組みが行われています。
たとえば、木造部分の定期的な点検や、茅葺き屋根の職人技の継承、耐震補強など、文化財としての価値を損なわないよう慎重に保守されています。
また、建物の修繕だけでなく、そこに込められた「思想」や「精神性」を次世代に伝えることも大切にしています。
地元の小中学生を対象にした「文化財見学ツアー」や、「建築体験ワークショップ」などの活動も実施されています。
こうした教育的な取り組みが、建築を単なる“過去の遺産”ではなく、“生きた学びの場”として位置づけているのです。
文化を未来へ残すとは、建物を守るだけでなく、「心をつなぐこと」。沼津倶楽部はまさにその精神を体現しています。
④ 沼津の新たな観光スポットとしての魅力
近年、沼津倶楽部は国内外から注目を集める“文化体験型の宿泊地”として人気を高めています。
ミシュランガイドのホテルセレクション「ミシュランキー」で2年連続受賞するなど、その評価は国際的にも高まっています。
「歴史を感じながら、現代的な快適さを楽しむ」──このコンセプトは、忙しい現代人にとってまさに理想的な旅の形です。
また、沼津市は「ラブライブ!サンシャイン!!」の舞台としても知られ、観光需要が高まる中で、沼津倶楽部が提供する“静寂と芸術の時間”は、他にはない価値を放っています。
今後は、海外からの文化観光客の受け入れも視野に入れ、沼津市全体のブランド価値向上にも貢献していくでしょう。
沼津倶楽部は、静岡が世界に誇る「日本の美」の象徴として、これからの時代に新しい息吹を吹き込み続けます。
沼津倶楽部を訪れる前に知っておきたい基本情報
沼津倶楽部を訪れる前に知っておきたい基本情報を紹介します。
訪れる前に知っておくと安心な情報を、わかりやすくまとめました。実際の旅の準備に役立ててくださいね。
① アクセス・所在地・駐車場情報
沼津倶楽部は、静岡県沼津市千本郷林1907-8に位置しています。
最寄駅は「沼津駅」で、駅からはタクシーで約10分ほど。千本松原の静かな松林の中に佇んでおり、まさに“隠れ家”という表現がぴったりの場所です。
車で訪れる場合は、東名高速「沼津インター」から約20分。駐車場は無料で完備されており、約20台ほどの駐車スペースがあります。
| アクセス手段 | 所要時間 | 備考 |
|---|---|---|
| JR沼津駅からタクシー | 約10分 | 約1,200円前後 |
| 東名高速 沼津ICから車 | 約20分 | 駐車場無料 |
| 三島駅から | 約25分 | 新幹線利用でアクセス可 |
周囲には松林が広がり、夜になると虫の音が響くほどの静けさ。沼津の喧騒から離れ、非日常を感じられる立地です。
② 宿泊・食事・体験プランの紹介
沼津倶楽部では、宿泊と食事、そして「集合茶亭」での体験をセットにしたプランが用意されています。
客室はわずか8室。すべて異なる間取りと設えで、「和」「洋」「メゾネット」の3タイプがあります。
| プラン名 | 内容 | 料金(税込) |
|---|---|---|
| 季節の宿泊プラン | 1泊2食付き(夕食・朝食) | 約45,000円〜 |
| 茶亭ランチ付きプラン | 昼食+館内見学+温泉利用 | 約10,000円〜 |
| スパ滞在プラン | 宿泊+岩盤浴+アロママッサージ | 約55,000円〜 |
特に人気なのが、「集合茶亭」でのランチ体験。地元の旬食材を使用した美しいコース料理を、茶室のような静寂空間で味わうことができます。
また、記念日やプロポーズなどの特別なシーンにも対応しており、オリジナルの花飾りやお茶席演出も予約可能です。
③ 予約方法と注意点
宿泊・ランチの予約は、公式サイトからのオンライン予約がもっともスムーズです。
特に週末や連休時はすぐに満室になるため、早めの予約をおすすめします。
予約サイトでは、宿泊プランのほかに「日帰りスパプラン」「アニバーサリープラン」なども選べます。
また、沼津倶楽部は文化財建築のため、建物内では次の点に注意が必要です。
- 館内は土足厳禁(スリッパに履き替え)
- 一部エリアは写真撮影禁止
- 喫煙は指定場所のみ可
- 小学生以下の宿泊は原則不可(静寂維持のため)
静けさと格式を守るためのルールですが、その分、訪れた人にとっては格別の時間が保証されますよ。
④ 周辺の観光スポットも楽しもう
沼津倶楽部を訪れた際は、周辺の観光もぜひ楽しんでください。
| スポット名 | 見どころ | 所要時間(目安) |
|---|---|---|
| 千本松原 | 松林と駿河湾の絶景。夕日が美しい名所 | 徒歩3分 |
| 沼津港深海水族館 | 深海生物と富士山水槽が人気 | 車で10分 |
| 沼津港大型展望水門「びゅうお」 | 駿河湾を一望できる絶景ポイント | 車で8分 |
| 伊豆・三津シーパラダイス | 海と一体化したイルカショーが見どころ | 車で25分 |
静かな滞在と観光の両方を楽しめるのが沼津倶楽部の魅力。宿に戻るころには、心も身体もすっかり整っているはずです。
まとめ|沼津倶楽部が伝える日本建築と心の美
沼津倶楽部が伝える日本建築と心の美についてまとめます。
| 内容 | ページ内リンク |
|---|---|
| 沼津倶楽部とはどんな場所? | こちら |
| 築110年の長屋門の歴史 | こちら |
| 数寄屋造りの魅力 | こちら |
| 集合茶亭の特別な空間 | こちら |
| 宿泊と食の体験 | こちら |
沼津倶楽部は、ただの宿でも、観光地でもありません。
それは「時間を味わう場所」であり、「日本の心を思い出す場所」です。
築110年という長い歴史を刻んだ長屋門、そして数寄屋造りの美しい建築が伝えるのは、「派手さ」ではなく「静けさの中の豊かさ」。
その空間には、四季の移ろいを感じ、自然と共に生きてきた日本人の感性が今も息づいています。
また、集合茶亭では、“もてなしの心”が形となって現れています。茶室の静けさ、料理の香り、木のぬくもり──そのすべてが「調和」という言葉に集約されるのです。
訪れる人は皆、日常の喧騒を忘れ、自然と深呼吸をしたくなるはずです。
そして、沼津倶楽部の再生は、古いものを守るだけでなく、「伝統を未来へつなぐ」挑戦でもあります。
その静かな佇まいの奥にあるのは、「変わらないために、変わり続ける」という美しい覚悟。
だからこそ、この場所には、過去・現在・未来が美しく交錯しているのです。
日本建築の粋と、数寄の精神が息づく沼津倶楽部。
一度その門をくぐれば、誰もがきっと“日本の美”を再発見することでしょう。
次の休日には、ぜひ「沼津倶楽部」で、静かで贅沢な時間を過ごしてみてくださいね。

関連リンク:
公式サイト|Numazu Club(沼津倶楽部)
文化庁:登録有形文化財「沼津倶楽部長屋門」
沼津市公式サイト

